皆さまこんにちは!
赤ちゃんがなかなかできないと不妊治療を始める時、タイミング法・人工授精・体外受精と
段階を踏んでいくことが一般的です。
タイミング法から人工授精へ、人工授精から体外受精へと治療を進めていくことを、
ステップアップと言われています。
タイミングの取り方
http://www.banikudo.com/?p=805
人工授精と体外受精の違い
http://www.banikudo.com/?p=1174
今回のブログは不妊治療の最終ステップ、体外受精について詳しくまとめてみました。
体外受精(IVF:In Vitro Fertilization)とは、卵子を体の中から取り出し、
同じく採取した精子と合わせ自然に受精した受精卵を子宮内に戻す生殖補助医療技術のことです。
生殖補助医療技術はART(アート)と呼ばれています。
体外受精では、タイミング法や人工授精ではわからなかった、
卵子と精子が受精されるのか、受精した卵子が成長するのか、
受精卵が着床するのかということがわかります。
採卵した卵子と精子が妊娠にむけた過程をしっかりとふんでいるか、培養士がしっかりと確認します。
体外受精を行うには、日本産婦人科学会が
「本法以外の治療によっては妊娠の可能性がないか極めて低いと判断される夫婦を対象にする」
と定めています。
具体的な内容は決められていないので、クリニックによって体外受精を行う適応基準は異なります。
一般的には、以下のような方に体外受精の適応基準となります。
<卵管性の不妊>
卵管に問題があり自然妊娠が難しい場合は体外受精が勧められます。
卵管が詰まる卵管閉塞や、卵管の先が癒着し液体がたまる卵管水腫で
卵子の通り道が塞がれてしまい、手術でも改善が難しい方、卵管の機能が失われている方が当てはまります。
<原因不明の不妊>
タイミング法や人工授精でも妊娠に至らず、原因不明の不妊が長期間続いた場合、
体外受精へのステップアップが勧められます。
目安としてはタイミング法で半年から1年、人工授精を6回程度とされます。
女性が36歳以上の場合は、もう少し期間が短い段階でステップアップをすることもあります。
<子宮内膜症>
内膜症があっても妊娠が可能ですので、軽度~中度の子宮内膜症があり妊娠できない場合は、原因不明の不妊と定義されます。重度の子宮内膜症の場合は、卵管性の不妊と同じ対応となります。
<免疫性の不妊>
精子を異物と認識し精子を殺してしまう抗精子抗体があり、
不妊期間が2年以上ある場合が免疫性の不妊となります。
高齢の場合は2年以下でも適応されます。
<男性不妊>
精子の濃度、運動率が悪く自然な受精が難しい場合の男性不妊で、
総運動精子数が100万~1000万で2年以上の不妊期間があると適応されるところが多いです。
体外受精にステップアップするには、不安もたくさんあることと思います。
採卵はどう行うのか、痛みはあるのか、スケジュールはどうなのか。
事前にどのように体外受精が行われるのか、流れを確認しておきましょう。
◆体外受精の流れ
①採卵するために卵子を成長させます。
体外受精の採卵方法にはいくつかの方法があります。
a)完全自然排卵周期
排卵誘発剤を使わずに、自然に排卵を待ち採卵を待ちます。
完全自然排卵周期のメリットは、排卵誘発剤を使わないため
体への負担が少なく次の周期でも採卵が可能になります。
通院回数も少なくなります。
デメリットは採卵する卵は1つのみで受精卵からの成長する可能性が低くなります。
また、卵子のない卵胞がとれる可能性があります。
b)クロミッドを使用する方法
錠剤の排卵誘発剤「クロミッド」を生理後に服用し、卵胞の成長を促す方法です。
自然に排卵ができにくい、卵巣の機能が低下している方に向いています。
クロミッドを使用するメリットは薬の刺激が比較的少なく、連続周期採卵が可能です。
自宅で服用できる薬のため通院回数もすくなくなります。
また、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方も使用できます。
デメリットは、胚移植が翌周期以降になること、内膜の発育が悪くなる恐れがある事です。
c) hMG/rFSH注射を使用する方法
クロミッドを使用しても卵が育たない、クロミッドを使用した方法よりも多く採卵したい方向けの方法です。
生理が始まった後にhMG注射かrFSH注射をし、卵胞を育てます。
hMG/rFSH注射を使用する方法のメリットは、発育する卵胞の数をコントロールできること、
卵胞の成長が遅い方にも効果がでることです。
デメリットは卵巣過剰刺激症候群などの副作用を起こす可能性があること、
注射のための通院が数回必要になる場合があること、早期排卵の可能性があることです。
d)クロミッドとhMG/rFSH注射を両方使用する方法
クロミッドとhMG/rFSH注射を組み合わせ、採卵数を増やしたい方に行う方法です。
この方法のメリットは、卵子の成長と排卵をコントロールしやすく、効果が高いことです。
デメリットは、卵巣過剰刺激症候群になる恐れがあり、内膜が十分にできない場合があります。
注射のため通院もおおくなります。
e)アンタゴニスト法
成熟前に排卵されるのを抑えるために一時的に排卵を抑制するアンタゴニスト製剤を使用し、
採卵のタイミングに合わせ卵子の成長を促す方法です。
排卵誘発剤の使用が少なく、卵巣過剰刺激症候群のリスクが低く、
未成熟なまま排卵してしまう体質の方に向いています。
デメリットは卵胞確認の通院回数が増えることと、費用が高いことです。
f)ショート法
生理が始まった後にGnRHアゴニスト製剤で卵子の成長をストップし、
採卵の数日前から薬で卵子の成長を促し採卵する方法です。
メリットは誘発剤の量が比較的少ない為刺激が少なく、ホルモンの分泌量が多くなる事が期待できます。
デメリットは、卵胞の質が悪くなる可能性があることです。
g)ロング法
採卵予定周期の前周期からGnRHアゴニスト薬剤を使い卵子の成熟を促す方法です。
採卵日が調整しやすく、採卵できる卵子の数も多くなります。
ショート法よりも薬を使用する期間が長いため、刺激が強く卵巣がはれてしまう恐れがあります。
卵巣機能が低下してしまっている方向けの方法です。
②採卵
膣から超音波の機械を入れ、卵巣の位置や卵胞の数を確認します。
超音波の機械のアタッチメントから挿入した採卵用の注射針を卵巣に刺し、
卵胞液ごと卵子を吸引し体外にとりだします。
麻酔を使用するかどうかはクリニックによって異なり、麻酔をする場合も全身麻酔、局部麻酔とがあります。
痛みも強く感じる方、あまり感じない方とがいます。
③採精と洗浄濃縮
男性側の精子を採取し、洗浄、濃縮の処理を行います。
精液には、細菌や白血球、死滅精子などが含まれることがあるので、
専用の液体で精子を洗浄したのち、健全な精子を集めます。
クリニックで採精する場合と、自宅で採精したものを持ち込む場合があります。
④卵子と精子の受精
採取した卵子と精子をシャーレの中にいれ(精子をふりかけ)、
自然に授精するのを待ちます。3~12時間ほどで受精します。
⑤受精卵の培養
クリニックの培養士が受精卵を環境が整っているインキュベーターの中で培養させます。
採卵後2~3日目に初期胚となり、5日目には胚盤胞まで分割します。
⑥胚移植
胚移植の方法も複数あり、医師と相談し行われます。
a)初期胚移植
培養2~3日目の、4~8細胞期の初期胚を子宮内に移植する方法が初期胚移植です。
長期の培養技術や、胚盤胞の凍結技術がまだ低かったときの
主な胚移植の方法が初期胚移植です。
複数の胚の中から、グレードの高いものを選び移植されます。
培養液の中で上手く育たない受精卵を早めに子宮内の環境に戻す事で、
成長を期待います。費用も他の移植方法よりはやや安くなります。
b)胚盤胞移植
受精卵を5~6日間培養し胚盤胞になった状態で子宮内に移植する方法が胚盤胞移植です。
初期胚移植よりも着床率が高い方法ですが、培養する段階で成長が止まってしまうと
移植がキャンセルされることになります。
胚盤胞の着床率はだいたい20~30%と言われています。
胚盤胞移植のメリットは、1つの胚盤胞を移植するため多胎妊娠の可能性が低くなります。
費用は初期胚移植よりも高くなります。
c)新鮮胚移植
初期胚、もしくは胚盤胞を採卵した周期に子宮に戻す方法です。
凍結・融解する時に一部が退行変性することがあるので、
胚の質が良くない場合などは新鮮胚移植適している場合があります。
d)凍結胚移植
初期胚、もしくは胚盤胞を凍結し、子宮の環境が整った周期に移植する方法です。
排卵誘発剤の影響で内膜が薄くなったり、卵巣が腫れてしまったりしやすい
採卵周期の移植は、子宮の環境がベストではなく着床しずらくなることがあります。
実際に凍結胚移植のほうが着床率は高いという結果がでています。
凍結杯移植のデメリットは、金額が高額になること、胚のグレードが高くないと凍結できないことです。
⑦黄体補充
妊娠を維持するために必要な黄体ホルモン(プロゲステロン)を補充し着床を促して流産を防ぎます。
黄体ホルモン剤には、「ルトラール」や「デュファストン」などの内服薬、
hCG注射、「プロゲステロン膣座薬」などの膣座薬などがあります。
⑧妊娠判定
尿検査、もしくは血液検査でhCGの値を測定し妊娠判定を行います。
判定は8分割の初期胚で移植した場合は移植から13日目以降、
胚盤胞を移植した場合は移植から11日目以降に判定します。
黄体補充をhCG注射でした場合は、hCGの値が実際よりも高く出ることがあります。
⑨妊娠成立
妊娠5週目(排卵から3週目)に胎嚢確認、
妊娠7週目(排卵から5週目)に心拍確認ができれば妊娠成立となります。
◆体外受精での妊娠率は・・・?
体外受精の妊娠率は年齢によって異なります。
35歳での妊娠率は35%、38歳になると30%を切ります。
40歳での妊娠率は20%以下で45歳だと5%ほどにまで下がります。
高齢の場合は、体外受精よりも自然妊娠のほうが確率は高くなります。
成功率が下がる要因は、卵子の老化、子宮内膜の状態の悪化と言われています。
2013年の報告では、89,950回の体外受精が日本で行われており、
そのうち4,776人が出生しています。
体外受精をし凍結胚移植までされた件数は141,335回で、
そのうち32,148人が出生しました。
体外受精によって命を授かった赤ちゃんは年々増えてきています。
一方で体外受精を行っても必ず赤ちゃんを授かることができるわけではありません。
医療の力だけではなく、生活習慣、体質改善の必要性も重要視されています。
◆体外受精にかかる費用
体外受精などの生殖補助医療技術は保険が効かず
全額自己負担(自費診療)のためかなり高額になります。
クリニックによっても金額は異なり、10万円~100万円の費用がかかります。
大学附属病院などは比較的低めの金額設定がされているそうです。
体外受精を行う段階で、途中でキャンセルになった場合は、
その後の費用がかからない価格設定にしているクリニックや、
成功報酬制のクリニックなど様々です。
生殖補助医療を受けた場合、
自治体から助成金が出て不妊治療の費用の一部を負担してもらえる場合もあります。
年齢や治療回数の条件もありますので、自分の住んでいる自治体のホームページなどで確認してみましょう。
◆体外受精を成功させるために
体外受精の妊娠率で前述したとおり、何らかの原因により赤ちゃんを授かることができない場合、
ARTによって必ず妊娠できるというわけではありません。
ARTは生殖「補助」医療技術というその名のとおり、
排卵、受精、着床の補助をしてくれるのですが、
自身の妊娠力を上げることはできないのです。
出産年齢が高くなっている時代背景や、食生活の変化なども
不妊の原因として挙げられます。
体外受精を成功させるためには、
ホルモンバランスを崩さず、良い卵子・精子を作るための
生活習慣、食生活に正すことが大切です。
睡眠・食事・運動を見直すとともに、ストレスを解消する方法を見つけましょう。
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