
― 自分の心に「静けさ」を取り戻す方法 ―
ふとしたことで落ち込みやすい。
夜になると頭の中でいろんなことがグルグル回って眠れない。
心配ごとが次から次へと浮かんできて、気づけばため息ばかり…。
そんなふうに、「考えすぎるクセ」が止められないことってありませんか?
「性格のせいなのかな」
「こんなことで悩む自分が弱いのかも」
つい、そうやって自分を責めてしまいがちです。
でも実はそれ、心と体のバランスが乱れているサインかもしれません。
そもそも、なぜ私たちは「思い悩む」のでしょうか?
東洋医学では、「考えすぎる」状態は “気(エネルギー)の巡り” が滞っている状態ととらえます。
特にストレスが続くと、自律神経が乱れ、呼吸も浅くなり、内臓の動きまで鈍くなってしまう。
そして、体の緊張とともに 思考も止まらなくなり、同じことをぐるぐる考えてしまう——。
これは誰にでも起こりうる「心と体のSOS」。
だから、責めないでくださいね。
自分でできる対処法
― 静かな心を取り戻す「内関(ないかん)」のツボ

そんな時にぜひ知ってほしいのが、
内関(ないかん)というツボ。
内関は、手首の内側、シワから指3本分ほどひじ寄りの位置にあるツボです。
このツボは昔から、
- 胸のざわつきを鎮める
- 緊張による吐き気や不安感
- 自律神経の乱れからくる不眠
などに使われてきました。
内関は、心と胃(=感情と消化)をつなぐ経絡(エネルギーの道)にあるため、
「気が重たい」「気持ちが落ち着かない」といった、ストレス由来の症状にとても効果的だと考えられています。
内関の押し方
リラックスした姿勢で、
反対の親指で「じんわり」と3秒ずつ、ゆっくり5〜10回押してみてください。
深く息を吐きながら行うと、より効果的です。
「息を吐く=緊張を手放すこと」。
繰り返すうちに、少しずつ心が静まっていくのを感じるかもしれません。
思考を止めるのではなく、整える
考えすぎてしまうのは、
あなたが「まじめに生きている」証拠でもあります。
でも、ずっと考え続けていては、心も体も疲れてしまう。
そんなときは、「整える」ことが必要です。
内関をゆっくり押す時間は、
ただのツボ押しではなく、自分自身にやさしく触れる時間。
そうやって少しずつ、心を緩めていくことが、
本当の意味でのストレスケアになるのかもしれません。
鍼灸では「こころの緊張」も大切にします
もし、ツボを押してもなかなかスッキリしない…という場合は、
鍼灸で「気の巡り」を整えるという選択もあります。
- ストレスによる自律神経の乱れ
- 思考過多からくる不眠や胃の不調
- 胸の詰まりや呼吸の浅さ
こうした状態を、やさしく、深く、根本から整えていきます。
「何をしても変わらなかった」
そう思っていた方が、
ふと「気持ちがラクになった」とおっしゃるのは、よくあることです。
あなたの心に、静けさと余白を
いま、頭の中がいっぱいで苦しいあなたに、
そっと伝えたいのは——
「静けさ」は、自分で作ってあげられるということ。
まずは、ゆっくり深呼吸。
そして、内関をそっと押してみてくださいね。
心が少し軽くなる、そのきっかけになるよう願っています。



















