皆様、こんにちは。
ひよこ店長こと、島原です。
さて、今日は昨日まで続いていた糖尿病の続きとなります。
昨日のテレビで高血糖で中性脂肪が高い方で、血糖値のコントロールばかりやっていたら心筋梗塞になってしまったという話がありました。
ここでの説明に少し付け加えていきたいと思います。
メタボリックシンドロームとインスリン抵抗性
中性脂肪が150mg/dl以上
HDL40mg/dl以下
腹囲が男性で85cm以上・女性で90cm以上
血圧が最高血圧130以上、最低血圧85以上
血糖値が空腹時血糖で110mg/dl以上
この上の値はメタボリックシンドロームの診断基準です。
メタボリックとは代謝が悪いということです。シンドロームは症候群ということですので、メタボリックシンドロームは代謝が悪くなり様々な病気を引き起こすという意味の単語ですが、これは実はインスリン抵抗性が引き起こしていることだということを知っていたでしょうか。
実はメタボリックシンドロームはこの名前がつく前はインスリン抵抗性シンドロームという名前がついていました。
インスリン抵抗性は前も説明しましたが、血糖値を下げるインスリンが様々な要因によってその働きを正常にできなくなっている状態です。
この要因の大きなところは二つあります。
・中性脂肪の増加
・運動不足
この二つが大きな原因となります。
中性脂肪でインスリン抵抗性が上がる理由

上の図はインスリン抵抗性を解説した図ですが、遊離脂肪酸というのが中性脂肪と考えてください。
中性脂肪が細胞内に取り込まれると、インスリンが働き血糖を吸収して行くという反応を止めてしまうのです。
また運動と図にも書いてありますが、実は運動がこのインスリンが働き血糖を吸収する反応を進めていく要因なのです。
これはインスリンが働くのは主に筋肉ですので、運動するために必要なエネルギーを取り込むために反応が進んでいくと考えられています。
なので、中性脂肪が高く、運動が不足してしまうと、ブレーキが大きくかかりながら、アクセルも弱まり、前に進む力が極端に下がってしまうのです。
インスリン抵抗が上がるとなぜ悪いのか?
では、インスリン抵抗性が上がるとなぜ悪いのでしょうか。
インスリン抵抗性が上がることにより最初に出てくる反応は、インスリンの分泌を高めるということが起こってきます。
インスリン抵抗性があっても、それに見合うだけのインスリンの分泌があれば血糖値のコントロールは可能です。
しかし問題はインスリンが血糖値を下げる働き以外に、働きがあるのです。
インスリンの血糖を下げる以外の働きとそれから生まれてくるであろう病態についてまとめていきます。
・腎臓でのナトリウムの再吸収→血液中の水の量が増え血圧が上がる。
・中性脂肪の増加→肥満、さらなるインスリン抵抗性の悪化
・HDLの低下→血中のコレステロールの上昇、動脈硬化により血栓の発生リスクが大きく上がる
・交感神経の刺激→末梢の血管の収縮、血管が細くなり栄養がいきわたりにくくなる。
・男性ホルモンの産生を促す→女性では不妊症の原因になる、男性では抜け毛などの原因にも
これらのようなことが起こりやすくなるのです。
インスリンの抵抗性が上がることにより問題になるのは、インスリンの増加によるところが大きいのです。
インスリン抵抗性がさらに進むと活性酸素が増える
インスリン抵抗性が上がり、インスリンの分泌が追いつかなくなってくると次に血糖値が上がってきます。
この血糖値の増加がさらなる病状の悪化を引き起こします。
血糖値の増加はまず、血液中のたんぱく質と糖が結合して糖化最終物質(AGE)というものを作ります。
このAGEが血管の細胞にくっつくと活性酸素を作ってしまいます。
この活性酸素は細胞の特にDNAをズタズタに切り裂くという性質を持っています。これが老化の原因とも言われているものです。
しかしこの活性酸素はSODという活性酸素を取り除く酵素の働きによって除去されているのですが、血糖値が高いとこのSODが糖化されその働きが下がることが分かっています。
つまり、血糖が上がることで、DNAを傷つけ、老化の原因となる活性酸素を作り出す方は増え、減らす方の働きは下がり、活性酸素が出来上がるのを止めることができなくなってしまうのです。
活性酸素が増えると悪い理由は
活性酸素が増えるとなぜ悪いのか。
活性酸素は様々な悪さをするのですが、今回のテーマでもある心筋梗塞を中心にまとめていきたいと思います。
・血管を広げる働きのあるNO(一酸化窒素)の働きを下げる→血管が広がらなくなり、血管が固いままになる(動脈硬化)
・酸化コレステロールを作る→超悪玉コレステロールとも言われるが、血栓を作りやすくする原因となる
・血管の細胞を傷つける→血管に傷がつき、そこから酸化コレステロールが入りプラークと呼ばれる脂質のコブを作る
血栓ができるまでの流れは次の通りです。
活性酸素が増える
↓
酸化コレステロールの増加、血管の細胞が傷つく
↓
傷口から酸化コレステロールが入り込む
↓
酸化コレステロールは異物として認識され、マクロファージという免疫細胞が攻撃を行う
↓
酸化コレステロールは次々と出来上がっていくので、膿がたまりコブ状のプラークができる
↓
プラークに反応して血栓が作り出される
普段の血管の細胞であれば血栓ができることはないですが、プラークというコブができるとそこで血栓が傷口と思い血栓を作っていきます。
このようにして血栓が出来上がるのです。
血管が細くなって戻らなくなる
高血糖により引き起こされる、活性酸素で怖いことは、活性酸素によりNOの働きが悪くなり、血管が広がらなくなります。
さらに、インスリン抵抗性が上がることにより、インスリンの増加します。
先にも説明しましたが、インスリンの増加で交感神経が興奮して、血管を狭くさせてしまいます。
ですが、血管を緩めるNOの働きが悪くなっているので、血管が狭くなったまま広がらなくなります。
これが心臓を栄養する冠状動脈に出てくると心臓を栄養する血管が狭くなるので虚血状態になります。
これにより心筋梗塞や狭心症などの病状を起こしやすくします。
またこれが足の方で進んでいくと、足の特に指に届く血液が減るので、この状態が続くと、指の細胞が死んでいきます。
これが続いていくと最終的には指が壊死して切り落とさないといけなくなります。
ここになる前にふつうわかるだろうと思いますが、神経症状がでて、症状が感じにくくなっているので、気づいた時にはどうしようもない状態になっていることが多いです。
さらに交感神経の興奮は血糖値を上げる働きを活性化するので、血糖値がまた上がりやすくなる悪循環が生まれてきます。
ズバリ、心筋梗塞の原因はインスリン抵抗性
では、今回のテーマは中性脂肪からのインスリン抵抗性と心筋梗塞の関係でした。
最終的にどのように繋がるのかまとめていきます。
流れは次の通りです。
中性脂肪の増加、運動不足
↓
インスリン抵抗性の増加
↓
インスリンの分泌が増える
↓
中性脂肪の増加、HDLの低下、血圧の上昇、男性ホルモンの増加、交感神経の興奮→血管の収縮、さらなる血糖値の上昇
↓
悪循環によるインスリン抵抗性の悪化
↓
インスリンの分泌が追いつかず、血糖の増加
↓
血糖とたんぱく質が結合、酵素の働きが悪くなる
↓
活性酸素が作られる量が増える
↓
NO(一酸化窒素)の働きが悪くなることにより動脈硬化が進む
血管の細胞が傷つく
酸化コレステロールの増加
↓
プラークにより血栓が作られる
↓
血栓が大きくなるとはがれて血液中を漂う
↓
冠状動脈が細くなって戻らなくなっているので、そこに血栓が入り込むと目詰まりし心筋への栄養ができなくなる
↓
最終的に心筋が壊死していき、心筋梗塞となる
ここまでまとめてきましたが、中性脂肪が高く、血糖値が高くなってしまっている方で、血糖値のコントロールだけをしている方が心筋梗塞になっているという例についてのメカニズムが分かっていただけたでしょうか。
血糖だけではなく、運動不足や中性脂肪も実は大きな問題だったということです。
さらに言えば、運動不足と中性脂肪の増加から来るインスリン抵抗性シンドロームが原因なのです。
健康な体を作るために
インスリン抵抗性の上昇の原因である、中性脂肪の上昇と運動不足を解決することが大切です。
食事の改善や生活習慣の見直しをされてみてはいかがでしょうか。
甘いもの、脂っこいもの、味が濃いものは取りすぎると、食べ過ぎの原因になりやすいです。
外食が多い方は、このような食事が多くなるので家での食事をおススメします。
野菜などをしっかり取っていくと、HDLの値も上がりやすくなります。
野菜を中心に、日本の誇りである漬物やみそなどの発酵食品を取ってあげると体を温めながら、胃腸を元気にしてくれることができます。
また先日もご紹介した、タンポポのお茶もインスリン抵抗性の増加から起こる悪循環からの脱却を助けることができます。
現代の日本では多くの方が糖尿病の予備軍で、インスリン抵抗性が上がっている方が多くおられます。
気づかない間に悪循環に体が落ちいり、大きな病気の原因を作っていることがあります。
正しい知識を付けて病気を予防していきましょう。
萬育堂薬房店長
薬剤師
鍼灸師
島原順一
萬育堂薬房
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昨年から徐々に再注目が集まり、最近ではどの女性誌を開いても特集が組まれている、現在再ブーム中のダイエット法「食べる順番ダイエット」。
芸能人も積極的に取り入れているというこのダイエットは、食べる順番を守るだけで痩せられるという、まさに魔法のようなダイエット法なのだそうです。
今回は、食べる順番ダイエットの基本ルールと、続けるためのポイントをまとめました。
食べる順番ダイエットの基本ルール
①. まずは野菜(食物繊維)
最初に野菜、きのこ、海藻類などの食物繊維が豊富な食材からスタートします。食物繊維を先に摂取することで、炭水化物などの糖の吸収がおだやかになります。食べるときは生→発酵→その他の順で。カボチャやいも類、トウモロコシは炭水化物が主体なため、後述の(③)で食べます。
②. 次に大豆食品・卵・肉・魚(たんぱく質)
次に豆腐や納豆などの大豆食品、卵、肉、魚などのたんぱく質が豊富な食材を食べます。まず大豆食品などの植物性たんぱく質をとり、次に卵、肉、魚などの動物性たんぱく質をとります。こうすることで、血糖値の上昇をゆるやかにできます。
③. 最後にご飯(炭水化物)
最後にいも類やとうもろこし、パンやご飯、麺などの炭水化物が豊富な食材を食べます。おかずと一緒に食べると、脂質を取り込んでしまうため、単体で食べるのがポイント。夕飯であれば食べなくても大丈夫だとされています。
たとえばごく一般的な日本の朝食であれば、「野菜→漬物→みそ汁→焼き魚→ご飯」、「サラダ→スープ→目玉焼き→パン」といった順番になるということですね。この理屈でいうと、フランスのコース料理「前菜→スープ→メイン→デザート」は理にかなってると言えます。
ダイエット成功のポイント
①三角食べは NG
食べる順番ダイエットの原則は、1つの食材を食べきって次を食べること。こうすることによって、血糖値の急上昇を抑え、大食いを防ぐことができます。また、肉と米を別々に食べることで、脂質が体内に蓄積されるのを防ぎます。
②コース料理のように1品ずつ出して食べる
”野菜を食べ終わったらお皿を下げて、おかずを運んで食べて…”といったコース料理を食べる感覚で、1品ずつ出すようにすると、うっかりご飯を先に食べてしまったり、三角食べを防ぐことができます。
③カレーやチャーハンなどの合体食は NG
カレーなどの合体食は、ルーとご飯を別々に食べても、胃の中ですぐに混ざり合ってしまうため効果が期待できません。また、油で炒めたチャーハンやピザ、ケーキなどもNG。
④野菜がない時は、野菜ジュースで代用可
どうしても野菜を食べる事がむずかしい時は、野菜ジュースでも代用可能です。ただし、糖分が含まれているものは血糖値の上昇につながるため逆効果。野菜100%のものを選びましょう。
ダイエットを続けていると必ず訪れる「停滞期」。これは脂肪の燃焼と分解を促進する「レプチン」の減少が原因。停滞期を乗り越えるためには、1日だけ炭水化物をドカ食いする日を設けます。ドカ食いによりレプチンを増やし、さらにダイエット効果が良くなります。
食べる順番ダイエットの最大の効果は、「血糖値の乱高下を抑えて食欲を正常にする」ことのようです。
ですので糖尿病の患者さんには持って来いのダイエットです。
食べ過ぎや間食を防ぎ、脂質、糖の吸収を抑えられるので、食事制限なしで自然とダイエットができるんですね。
毎日の生活に取り入れてみてくださいね。
参考文献:
なぜ、「食べる順番」が人をここまで健康にするのか: この食べ方で高血圧、糖尿病、高脂血症……にならない! [単行本]
梶山 静夫 (著), 今井 佐恵子 (著)
食べる順番ダイエット [単行本]
鯨井 優 (著), 鯨井 康雄 (著)
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