― 夏至(げし)に大切にしたい体との向き合い方 ―
~鍼灸・食事・妊活の視点から~
こんにちは、ばんいく堂鍼灸院です。
6月21日頃は「夏至(げし)」。
1年のうちで最も昼が長く、太陽のエネルギーがピークを迎える節目です。
今回は、夏至におすすめの養生のヒントを、鍼灸・食事・妊活という3つの観点からお届けします。
■ 夏至とは? 体にどんな影響がある?
夏至は、陰陽のバランスでいうと「陽が極まり、陰が生まれ始める」タイミング。
つまり、自然界ではエネルギーの切り替わりの時期にあたります。
東洋医学ではこの時期、「心(しん)」「脾(ひ)」「腎(じん)」などのバランスが乱れやすいとされています。
- 寝つきが悪くなる(陽の気が強すぎる)
- 食欲が落ちる、消化力が弱まる(湿気の影響)
- だるさや疲れやすさを感じやすい(気の消耗)
このタイミングで少し立ち止まって、“陰を養い、陽を鎮める”ようなケアを意識すると、夏本番に向けた準備が整いやすくなります。
■ 鍼灸で整える「心と腎のバランス」
この時期は「心火亢盛(しんかこうじょう)」=“心の火が強くなりすぎる”状態になりがちです。
不眠・イライラ・ほてり・焦りなどが出やすい方は要注意。
一方で、妊活や体力づくりには「腎」の安定が欠かせません。
東洋医学では腎は“生命の源”とされ、ホルモンバランスや生殖に関わると考えられています。
鍼灸では、たとえば:
- 神門(しんもん):心の熱を鎮めて安眠へ
- 太谿(たいけい)・関元(かんげん):腎を補ってエネルギーを蓄える
- 足三里(あしさんり)・中脘(ちゅうかん):胃腸機能の安定をサポート
などのツボを使って、陽の高まりを緩やかに落ち着け、体の中心軸を整える施術が行われます。
■ 夏至におすすめの食事と食材
この時期は、湿気の影響で胃腸が疲れやすくなっています。
「冷たいものを摂りすぎない」「温性の食材で脾を守る」ことが基本です。
おすすめ食材(脾・腎・心をサポート)
臓腑 | 食材の例 | 期待される働き |
---|---|---|
心 | ハトムギ、ミョウガ、蓮の実 | ほてり・不安を落ち着ける |
脾 | 大根、かぼちゃ、山芋、とうもろこし | 胃腸を整え、エネルギーに |
腎 | 黒ごま、黒豆、きくらげ、クルミ | 生命力・安定した体 |
※すべて薬ではなく、「食養生(しょくようじょう)」の一環です。
また、朝はしっかり、夜は軽めにを意識し、体内時計を自然のリズムに合わせることも養生のひとつです。
■ 妊活中の方へ:エネルギーの“土台づくり”を
妊活において夏至の時期は、実は大きな転機の時期でもあります。
「陽が極まる」このタイミングからは、少しずつ“静”の時間が増えていく時期。つまり、“受け取る・育む”準備を始めるのに向いている季節です。
この時期に整えておきたいのは:
- 腎のエネルギー(=妊娠を支える土台)
- 胃腸の吸収力(=血を作り、体を温める源)
- 心の安定(=ホルモンバランスと深く関係)
鍼灸では体の流れを整えるだけでなく、緊張をほぐし心身の余白を取り戻すお手伝いもできます。
■ 最後に|夏至は「立ち止まり、整える」タイミング
一年でもっとも陽の気が高まる夏至は、元気に動ける反面、疲れもたまりやすい時期。
妊活・体調管理・美容養生、どの面でもこの時期はがんばりすぎないことが大切です。
- 食事を見直す
- よく眠る
- 冷えを避ける
- 巡りを整える
- 自分の心の声を聴く
ひとつでも意識できることがあれば、夏の過ごし方がぐっとラクになりますよ。
ばんいく堂鍼灸院では、東洋医学に基づく「季節の体調ケア」もご相談いただけます。
女性のための不調・妊活サポートにも力を入れています。お気軽にお声かけくださいね。